ヨーロッパの食文化と日本の食文化との交流を深めながら
ご家庭の食卓やレストラン、ホテルなどに美味しいパンを日々お届けできるよう
真心を込めてパンを焼き上げております。

”パンの中に夢や希望を包み、幸せをお届けする”
これが、ヨーロッパンキムラヤのパンに対する想いです。

福井県鯖江市にて1927年(昭和2年)に木村屋として創業いたしました、
株式会社ヨーロッパンキムラヤは、おかげさまで令和4年に95周年を迎えることができました。

【初代】 創業

 石川県能登出身の初代 古谷伍一 は、東京の木村屋で修業中関東大震災に遭い、着の身着のままに近い状態で鯖江に住む兄の元へとたどりつきました。 そしてその数年後、木村屋の暖簾でこの地にて創業する事となりました。(あんぱんを初めて鯖江の人に紹介した人として知られています。)
 憲兵をしておりました兄の関係で、戦時中に東京の木村屋が軍に納めていた堅パンを、同様に鯖江三十六連隊にも納めており、現在も“軍隊堅麺麭”(軍隊堅パン)として焼き上げています。
 そして、大正時代に流行した“玉子パン”もいち早く紹介し、当時から東京の雰囲気が味わえるハイカラな店として評判になりました。

【二代目】 新しいもの好きで数多くの商品を開発

 二代目 古谷欽一 は人を驚かせるのが好きで芸術肌、探究心旺盛で、“パンのあるところへは何処へでも行く”と言って世界中を視察して廻りました。パンへの情熱と多彩な発想は、“バタード”や“大福あんぱん”など多くの商品を考案して参りました。
 特に本場ヨーロッパのパンに大変刺激され、フランスパンの神様と呼ばれるレイモン・カルヴェル先生の直伝のフランスパン、またドイツ製パン学校で習得したドイツパンなどの紹介もいち早く福井の地で始めています。
 米どころ福井の人の味覚に合う食パンの開発では、アメリカの合理的製法とヨーロッパの古典的製法を取り入れた、ヨーロッパンキムラヤ定番ロングセラーの食パン“ハーフタイプ食パン”が誕生しました。
 1980年初期には、フランスパンの中身をたっぷり堪能したいとの声から、 フランスパンのクラム(中身)がたっぷり味わえる“ハード食パン”の誕生。
 そんなパンへの情熱は東京や大阪にも伝わり、福井を旅された際の有名な小説家の大紀行、“越前の諸道”(1982年)の中では「近年、鯖江のパンがうまいという話をしばしば聞くようになった。」という風に書かれています。
 また、草月流家元の勅使河原宏氏と交流を持つようになってから、さらに影響を受け、持ち前のキャラクターから映画に出演までするようになりました。 これらの活動も、すべてはおいしいパンを作るための糧となっていきました。
 それから、毎年のように訪れていたフランスで約25年前、パリの製パンの展示会で一目惚れした“フェルメント ルヴァン”をいち早く購入し、自然発酵種(ルヴァン リキッド)を用いたパン作りにも取り組んで参りました。

【そして現在 三代目】

 三代目 古谷香住先代から引き継いだヨーロッパスタイルの対面販売を取り入れた店舗では、初代が勤めた東京の木村屋の技術を礎に、二代目が学んだヨーロッパの伝統的なパンはもちろん、最新のヨーロッパの流行を取り入れたパンやオリジナルなパンが並んでいます。

そしてそれらのパンは、夏にはツタの葉で覆われるヨーロッパ調のパン工房から、真心を込めた手づくりのもと、パンの喜びの拍手のなかで焼き上げられています。

初代の頃の写真

初代の頃の写真

東京銀座木村屋総本店認免証

東京銀座木村屋總本店認免証

二代目欽一

二代目欽一

初代の頃の写真

昔のアトリエ

現在のアトリエ外観

現在のアトリエ外観